麺 to the コネクション ~四代目のルーツ 編~


 今回は、四代目とは切っても切れない間柄、奈良県の「三輪山勝製麺」の山下勝山をご紹介! (以下 勝山)
 奈良の麺といえば、「三輪そうめん」。
 その地域で 三輪そうめんを作らず、「一筋縄」という、とてつもなく高品質なそうめんを作っています。

 勝山さんとの出会いは、12年ほど前。
 四代目がまだ東京在住で、クラブDJをしていた頃のこと。20代後半に差し掛かり、何となく今後の人生を考えていた時でした。
 そんな心境を知ってか知らずか、三代目からこんな電話が。
三代目「奈良県にすごいそうめん屋があるけど、修行に行かん?」
四代目「あ、行く!」

 重大な決断だと思うのですが、当時は軽いノリで即答した記憶が強く残っています。

 その数か月後には、三輪山勝製麺へ。
 初めて勝山さんにお会いした時の印象。

「えっ!こわっ!!」

 大変失礼ながら、その出で立ちから、今後の修行生活に不安を覚えたものでした。

 さぁ、修行がスタート!

 したのも束の間、、、最初の任命は、、、
 「長崎へ行ってきなさい!」
 
 長崎といえば「島原そうめん」ですね。
 島原には、勝山さんのお弟子さんがいらっしゃって、まずはそこで麺づくりを習得しなさいということでした。

 島原では、麺づくりに明け暮れる日々でしたが、島原の職人さんの行動でふと気づいたこと、それは掃除をひたすら丁寧にすることでした。
「掃除がきちんと出来ることは、仕事がきちんとなされるための基本」
 そんな仕事に対する大事な姿勢を、島原の職人さんは教えて下さったのです。

 それから三輪山勝製麺での修業が始まりました。

 いつも勝山さんのそばに付きながら、様々な人にお会いしたり、様々な会社に見学に行ったり。
 毎晩のように、たらふくおいしいご飯をご馳走になったり(笑)

 勝山さんは、天才的な感性で、おいしい麺を作り出していきます。

 作りたい理想の麺を頭の中で想像し、その麺を作るためには、この小麦・あの小麦を〇%ずつブレンド、〇%の塩を入れて、練るときの加水量は〇キロ、熟成時間は最低〇時間。
 それはまるで科学実験をするかのごとく、瞬時に麺のおいしい方程式を編み出し、そして、本当に思い描いた通りの麺を作り上げていくのです。
 
 そして、いつも最後に、こうおっしゃいます。
「鉄也よ。一番大事なのは原料や。その時々で一番良い原料を見極めるのが、お前の仕事や」

 修行中、勝山さんから麺の作り方を教わったことは、一度たりともありません。
 勝山さんは、原料選びの大切さ、そして、もっと大切な麺づくりに対する根本的な考え方を教えて下さったのです。
 
 四代目のルーツ、それは勝山さんから受け継がれた麺づくりに対する思い、そのものかもしれません。